特別展では、さいとう・プロダクション3階にある“武器庫”から、門外不出だったモデルガン12丁が展示される。
武器の描写を担当する職人たちが、細部までリアルに描くために、部品を集めて手作りした傑作もある。

今回、初めてプロダクションの外へ持ち出すことが許された。
どの場面で使われたのかも振り返りながら、細部に至るプロのこだわりを、その目で確認してもらおう。

一部をここで紹介する。

M16フルスクラッチ

第521話「STOCK(ストック)」(2012年)にて、引退したスイスの銃職人がゴルゴのために作ったカスタムモデルを忠実に再現した、完全オリジナルモデル。
木製仕様のM16エアガンやモデルガンは存在しないので、さいとう・プロダクションのベテランスタッフがあらゆる資料を参考に、ハンドガード(銃身を覆う筒)、グリップ(握り)、ストック(銃床)が木製仕様のフルスクラッチモデルとして完成させたオンリーワンの逸品だ。

M16フルスクラッチ
M16フルスクラッチ クローズアップ

M16スコープ付き

「ゴルゴ=M16」のイメージを決定付けたM16変形銃のバージョン4として、作品中期以降、長期間にわたり登場する。ノーマルタイプとの外観上の大きな違いは、銃本体の上部にある斜めのパーツがハンドル(提げ手)タイプではなく、スコープを固定するガードタイプに変更されている点である。初登場は第198話「シンプソン走路」(1983年)だが、頻繁に使用されるようになるのは第285話「ファイル消失」(1990年)あたりからとなる。

M16スコープ付き
M16スコープ付き クローズアップ

カンプピストル

ドイツのワルサー社が1930年代に開発した小型榴弾(りゅうだん、爆発によって弾丸の破片が広範囲に飛散するように設計されている弾)発射器。信号弾を撃つ信号拳銃を改良したもので、区別のため銃身左側面に「Z」の文字が刻印されている。こちらは弾頭の大型化による反動軽減のため、遠距離射撃用の照準器と折り畳み式ストック(銃床)を装備した発展強化バージョンの「シュルツムピストル」となる。コンゴを舞台にした第446話「コルタン狂想曲」(2004年)の対ゲリラ戦で使われたものだ。

カンプピストル
カンプピストル クローズアップ

AR-7

1950年代にフェアチャイルド社アーマライト事業部が開発した、戦闘機のパイロットが不時着した際のサバイバルガン(自衛用銃器)をベースにしたセミオートライフル。銃身、弾倉、機関部を分解して銃床内部に収納できるのが大きな特徴で、映画「007 ロシアより愛をこめて」で使用され一躍有名となった。重量も拳銃並みに軽いことから、エベレストを舞台にした第354話「白龍昇り立つ」(1996年)で登場する。

AR-7
AR-7 組み立て前